about Cloisonne

how to make cloisonne and metal crafts.

作業工程。

有線七宝とその製作について 恩師の飯尾京子先生の言葉に自分の言葉も少し加えてここに書きました。

七宝とは金属の胎(土台)にガラス質の釉薬を焼き付けたものです。まず鍛金の技法で銅・銀・金を金槌で叩いて加工をしたり、彫金の技法で地金を糸鋸ですかしたり、やすりで削ったり、ろう付け(溶接)したりして胎を製作。

既成の釉薬は原色が多いので作品に合わせて釉薬づくり。酸化金属と既成の釉薬を調合して焼成。乳鉢で粉砕、ふるい別けるを繰り返します。色のイメージを整える作業。

下地の釉薬を胎に焼成後、細いリボン状の純銀線を胎に描いた下絵に合わせ植線。純銀線を透明釉薬で胎に焼き付けた後、釉薬をのせ焼成を繰り返す。色の奥行、深みを追及するため、一度に乗せる釉薬は薄め(少な目)にし、ガラスの重なり合った色を想像しながら透明、不透明を使い分けることが楽しく重要。計算できない偶然が重なり美しい色が生まれることもある。

立てた銀線が胎のカーブに沿っていないと線は釉薬に引っ張られ曲り、デッサンが狂う。ふのり(釉薬を胎に固定する為ののり)の量が足りないと折角の色が炉の底に落ちてしまう。多すぎると釉薬の発色が悪い。炉から出すタイミングを逸すると銀線が溶けてしまう。やっと焼きあがっても太い銀線は早く研ぎださないと線の際にヒビが入ってくる。砥石を数種類、名倉、朴炭、桐炭で研いでいくと艶が出てきます。宝石のような!研ぎすぎると美しい色を削り失ってしまうこともある。でも落ち込んでいる場合ではない。次は七宝を飾る彫金の仕事がはじまる。

製作時間はよく聞かれるが答えられない。集中力の問題だから。


下の写真は土台製作から植線、色乗せ、彫金作業、鍛金作業の写真です。

途方もない作業の一場面を紹介のはずがどの作業も紹介したくていっぱいの写真になりました。

良かったら暇なとき見てみてください。本当にたくさんああります!